一体型非接触TRPC測定装置(RS12)の開発報告をします。ドップラセンサでRP(呼吸数と
心拍数)、2DサーモパイルセンサでT(体表面温度)に加え、C(環境)測定を追加しました。
環境センサはGPSロガーで検討したものの応答速度が遅く搭載を断念したBMP680(温湿度
気圧大気汚染度)を搭載しました。
また、RPのアルゴリズムをFFT方式から獣医さんに近いパルスカウント方式に変更しTは、
測定回数を合計20回にして誤差を削減することに加え、サーモカメラによるOpticalFlowを計
算し動きを検出しました。以前の非接触TRP測定は、RPとT測定を別々で行うようにRS01/
RS02を開発しました。(既報)
測定アルゴリズムの変更について説明します。ドップラセンサの信号を2種類のIIRフィルターを
使って呼吸信号と心拍信号に分離し、バックグラウンド補正を行いFFT処理をしました。
この方式から、獣医さんに近いパルスカウント方式に変更しました。
パルスカウント方式では、20秒間のパルス数をカウントして3倍にする(獣医方式)とパルス間隔
の平均値を採用する方式があります。今回は、後者の洞調律を求める方式を採用しました。
洞調律のばらつきは疲れやストレスの指標になるようです。
次に表面温度測定です。表面温度から体温を推定するため、柴犬太郎君の補正値を採用しました。
また以前の測定結果は、レンジで3℃のばらつきがあるため、RP測定前後で10回ずつ測定し誤差
を1/√20に減少させレンジで0.7℃程度にしました。
サーモカメラによるOpticalFlowを追加することにしました。この目的は犬に限らず定点観察
応用時(繰り返し測定)に動きの変化を捉えることを目的にしています。
今回は、非接触TRP測定のアルゴリズム変更を報告しました。次はハードウェア編です。
RS01とRS02を合体します。マイコンによるコマンド操作制御が必要でそのあたりを説明します。
一体型非接触TRPC測定装置(RS12)のハードウェアについて報告をします。ドップラセンサ
2Dサーモパイルセンサ、環境センサを合体してマイコンでコマンドコントロールできるように
しました。以前開発したInteligentsensorに同じ手法です。
サーモパイルデータを「コマンドa」で、ドップラセンサデータ(30秒)を「コマンドb」で
同じく50秒サンプリングを「コマンドc」で、環境センサは2種類を想定しています。
今回使用したBMP680は「コマンドd」、DHT11は「コマンドe」を設定しました。
各コマンドに対応したWindowsPC側のソフトウェアは次回に説明します。マイコンはESP8266
を使用しました。コマンドコントロールのマイコンプログラムを以下に示します。
一連の測定が終了するとデータを総括表示します。以下概要をしまします。次回詳しく説明します。
GUIプログラム開発方針
onetime測定を基本としますが、睡眠中のTRPC変化も測定可能なように配慮します。
GUIの表示は日本語に変更します。TRPCの領域別表示を行います。連続動作を想定して
タイムスタンプを含むログデータの保存を可能とします。WEB画面での操作をpysimpleGUIWEB
を使用しリモート環境で操作できるよう検討します。
GUIプログラムコードを以下に示します。
連続動作の試験を行いました。保存したログファイルを示します。
30分間の連続動作試験のログデータを示します。
30分間のサマリ画像データを示します。
最後に、pysimpleGUIをpysimpleGUIWEBに替える試験結果を報告します。
https://localhost:2000 でのGUI操作画面
課題は、同じネットワークにつながっている外部端末から、https://IPアドレス:2000では接続
できない。Node-REDのWEBサーバーと同じようにアクセスすることができません。
pysimpleGUIWEBはラズパイでの動作を期待して採用を検討しました。ラズパイでのRS12の
GUIプログラムは動作しましたが、Windows-PCの場合と同じで、WEB画面経由で外部からア
クセスすることはできませんでした。
この問題が解決できれば応用範囲は非常に広がると思います。