その1 ロボットアームの製作
microbitの工作報告に引き続き工作編(ロットアーム)をお届けします。以前myCobotの情報を頂きました。当時10万円くらいでした。現在、SwitchSienceで旧モデルの在庫セールを行っています。myCobot 280 M5 – ロボットアーム(旧モデル)–在庫限り — スイッチサイエンス (switch-science.com)購入して工作してみるのには、ハードルが高いので、まずWEB調査し自作アームの情報を探しました。ハードルが低そうな記事がありました。Arduinoを使って動作を記憶させる記事です。
3軸のアームとB型のボリュームを使って早速追試してみました。HPに掲載されているArduinoの結線図とコードを示します。サーボモータはより小型のSG90を使用しました。
学習用アームは、サーボモータ位置にボリュームを取り付けています。できるだけお金をかけずに100均材料とホットボンドで組み立てました。ボリュームは角度による電圧値を読み取るためにADC端子に接続します。それに対応したサーボモータにはDPINから角度に応じたを送ります。学習時は、ボリュームと連動してサーボを動かし、バッファメモリにボリューム値を記憶します。再生時は、バッファメモリ値を読み出しサーボを動かします。
動かしてみました。一瞬で壊れました。あまりにもチープな作りで機械強度がありませんでした。また、モータ3個はArduino 本体電源からでは無理でした。
このままでは、検証できないので2軸のアームに鉛筆を付けて動かすことにしました。学習用アームはやめました。素直にボリューム操作で動作を記憶させます。
記録モードと再生モードの動作確認をしました。
何とか追試することができました。反省点として、おもちゃでも強度設計がされた既製品のアームを使うべきだと思いました。次回は既製品アームを評価します。
その2 既製品ロボットアームキット
ロボットアームの既製品をAmazonで購入してみました。推奨のmyCobotに手を出す前に、おもちゃレベルの既製品を試したいと考えました。まず、1万円以下で入手できる製品を購入しました。SNAM1900(\5,700)は、4軸サーボとコントローラ(マイコン無し)です。挫折しました。コントローラは基板に部品を半田付けしなくてはいけません。また、アクリルパーツとネジが多量に袋詰めされているだけで組み立て手順書やWEBでの説明も一切ないというものです。ジクソーパズルをやるようなものです。老人には厳しいキットでした。最初から挫折してしまいました。
気を取り直して、少し高いAdeept RobotArm(\8,500)を購入しました。このキットは、すごく丁寧なWEBマニュアルを参考にすることができました。4軸サーボで回転軸はベアリングを使用しています。コントローラにはAVRマイコンが使用されてArduinoUNOの機能を内蔵しています。ボードは半田付け済で手間もかかりません。OLEDが付属しています。シニアには優しくコスパ最高のキットでした。
ソフトウェアは、ポテンショメータでアームを動かす基本プログラムと動作記憶と再生のプログラムをDLすることができます。基本プログラムを示します。
動作は意外にスムーズです。独自のブロックコード環境も用意されているようですが今回は試していません。
記憶・再生プログラムは、200シーケンスまで対応していますが、試験的に10シーケンスに設定しています。コードを示します。
学習動作についてのデモ状況を示します。
Adeept製のロボットアームは、バッテリ搭載(別途準備が必要)でスタンド
アローンで使用できる完成度の高い製品でした。おすすめです。第3回は、ArduinoレベルではなくRasPiレベルの製品にチャレンジします。
その3 既製品ラズパイ制御ロボットアーム
ロボットアームの既製品をAmazonで購入していますが、1万円程度と 5万円程度のカメラ付きのものを購入してしまいました。今回は金属製で1万円(RasPi含まず)で3軸+オプション(クリップ、スコップ)の製品です。その名「PiArm」です。ラズパイHATには、サーボコントローラとスピーカーが付いています。手持ちのラズパイ3A+などをマウントしたのですが、非常に不便です。ラズパイとは最終的にVNC接続するかリモコン操作する前提のようで、ラズパイをマウントした状態では、HDMIケーブルがアームにぶつかってしまいます。マウント位置を後方に変更しましたが、サーボケーブルがかつかつの状態になりました。「PiArm」ははっきり言ってカスでした。
良いところも言っておきます。HAT基板は半田付け済ですし、アームも組み立てる必要がないところでした。説明書は付属せず、WEBマニュアルに従い、ソフトウェアをラズパイにインストールしていきます。
ロボットアーム本体のソフトウェアは、Pythonで提供され「専用ジョイステック操作」と「メモリファンクション操作」です。Arduinoレベルの内容です。ラズパイには期待していたのですが残念です。それぞれのコードを示します。
最終的な基板配置とサーボケーブルの状態を示します。
専用ジョイステックのプログラムで動作を確認しました。クランプは意外に大きく開きますが、安定性に疑問が残ります。
次に「メモリファンクション操作」を試しました。ジョイステックの左ボタンを押し込むと記録し、右ボタンを押し込むと再生するはずですが、左ボタンでエラーが発生しそれ以上確認できませんでした。エラー解析をする気力がわかないので今回の報告はここまでにします。
金属製(鉄)でアーム自体の強度はありそうですが、サーボがSG90で非力すぎるかなという印象です。できる内容もArduinoレベル並みでした。(ジョイステック操作できるところが売りなのかもしれませんが)やっぱりカメラが付いている少し高級なアームでないと応用用途が広がらないように感じました。
その4 カメラ付きロボットアーム
ロボットアーム既製品Amazon購入が癖になってしまいましたが、今回を最後にしたいと思います。ついにカメラ付きロボットアームを買ってしまいました。100均部品で手作りしていた頃が懐かしいです。Microbitを使ったロボットカーでお世話になったYahboom社の6軸ロボットアーム、その名も「DOFBOT」を購入しました。JetsonNanoは共立電子で別購入し併せて7万円程度です。Yahboom社には、myCobotコラボのJetson製品がありますが2倍くらいします。
組み立てやソフトウェアのインストールは、WEBマニュアルに纏めてあります。ロボットカーの時もそうでしたが、Yahboom社マニュアルは非常に丁寧です。
本体の組み立ても一コマずつ説明されていますが、配線ケーブルの取り回しで少し注意が必要な場合がありました。アンテナケーブルの引き出しです。
Jetsonのソフトウェアですが、WEBマニュアルにはSDカード書き込みまでの手順が書かれていますがJetsonはUSBで起動します。全て入ったUSBトングルをJetsonのUSBポートに刺すだけでした。(Jetson無しキットなのに)
ソフトウェアマニュアルによると、スマートフォン等を使ったデモソフトが豊富に使えるFirstTrialやJetsonのpythonプログラム環境(JupyterLab)の説明やソースコード等が提供されています。またROSの説明もありました。
手っ取り早く動かすためには、「FirstTrial」を使用します。スマートフォンに「YahboomRobot」というアプリを導入します。Jetsonとスマートフォンは同じSSIDを使用します。スマートフォン側キット名を選んでWireless Connectionを選択しておきます。Jetson側は電源を入れて起動したらミニ液晶に近い押しボタンSW(K1)をピピーンと音が出るまで押し続けます。
スマートフォン側でJetsonのSSIDとIPアドレスの設定を行います。まずDOFBOTをサーチします。発見に成功するとIPアドレス設定画面になります。IPアドレスと2つのポート番号の合計3個を入力します。JetsonのIPアドレスはミニ液晶に表示されていますのでこれを入力します。「192.168.1.XXX」です。ポートは6000と6500ですがデフォルト設定されていて、変更は必要ないです。
接続が完了すると、キャリブレーションモードに入ります。アームの初期位置(まっすぐ上を向く)確認とカメラの色キャリブレーションがあります。
それでは、各種デモプログラムを動かしてみましょう。まずは「リモートコントロール」です。1万円以下のアームでもできる内容ですね。関節番号を選択して間接毎の動作確認ができます。サーボモータはエンコーダ付きの高級品が使われていますし、6個のモータケーブルはカスケード接続できるようです。モータにアドレスが振ってあるようです。
次は「ActionGroups」という動作記録と再生モードのデモです。これも1万円以下のアームでもできましたが、異なる点はエンコーダ付きモータを利用してアームの動きを人が直接動かしながら記録できることです。ちょっとした単純作業は覚えさせることができます。
次は「ColorReconition」です。少しAI的な要素が加わってきました。カメラで付属の色ブロックを認識しアームで挟み書影の場所に移動するデモです。
次は「Gesture Interaction」です。手の形を事前に学習させたモデルを使って、カメラが手の形を認識してアームが反応するというものです。これは残念ながら動きませんでした。 手の形を上手く認識できてない様でした。
以上です。JetsonNano(4GB)は共立電子で3万円で入手しましたが、生産終了を迎えそうです。互換機としてOKDO製(2万円)を2個持っていますが、これが使えるかどうか試していません。使えれば、6万円でリピート機が作れます。